HOME > 大学院をお考えの方へ > 大学院をお考えの方へ> 大学院生からのメッセージ
私が大学院に入学したのは精神科5年目、自分の専門を神経症に対する心理療法に決めてしばらくの時期でした。ですので大学院入学への主な動機は、研究職を目指してという訳ではなく、スパーヴィジョンをして下さる先生方と同じ職場に就いて心理療法のスキルアップをしたいというものでした。大学院では認知行動療法グループに入って、名市大が長年行って来たパニック障害に対するグループ認知行動療法、さらにはアクセプタンス&コミットメントセラピー、持続エクスポージャー療法、対人関係療法などを学びました(市大では1人のセラピストが複数の治療法を身につけています)。色々なセラピーを学びながら自分のやりたい研究分野を見つけ、知識や研究技法を身につけるのは、通常の病院勤務とはまた違う「成長した感じ」がありました。楽しかったです。
さて、市大の大学院の良いところは、院生が自分の好きなことを研究してよいという雰囲気と面倒見の良さが両立しているところだと思います。先輩方が前述している大学院授業では、年度末に院生から講義内容をフィードバックし、来年度自分が学びたい内容や、授業の形式をリクエストできます。ですので、自分のニーズにあったものが学べます。こんな手厚い教育の場を定期的に持てるのは名市大だけ!ではないかも知れませんが、院生生活で十分なサポートが得られることは間違いないと思います。研究や心理療法のスキルを教えてくれるだけでなく、自分も将来こうなりたいと思う先生が沢山いる職場で働けたのも、大学院生活の大きな収穫でした。この場を借りて、感謝の気持ちを述べさせて頂きます。
大学院へは指定医や専門医の取得の目処がある程度たった卒後5年目に入学しました。
大学院1年目は、認知行動療法グループで、認知行動療法の臨床と臨床データの解析に取り組みました。さらに、月2回のリサーチミーティングで研究計画書や論文の書き方、統計ソフト、文献管理ソフトの使い方など、研究をしていく上での基礎的な内容の指導を受けられたことがその後の研究遂行に大変役に立ちました。このリサーチミーティングというシステムは全国的にも稀な名市大の大学院教育の特長と言えると思います。
大学院2年目からは、脳画像研究に興味を持ち、医局の配慮もあり、国立がん研究センター、生理学研究所、広島大学などで研究手法の研修、指導を受け、電気けいれん療法や認知行動療法、社交不安障害の患者さんを対象とした脳構造画像、機能画像研究に取り組みました。この間、教授の明智先生の細やかなご指導をいただき、途中出産でブランクもありましたが、4年間で学位を取得することができました。
明智先生がよく仰っていることですが、臨床の疑問を研究で取り上げ、その結果をまた臨床に応用していくというプロセスは、日々の臨床を豊かにしてくれることにもつながると思います。精神科医としての基礎研修をひととおり終えた後、研究に携わることは大変実り多いことだと思います。
名市大精神医学教室で世界レベルの学びを得ましょう!
私は他大学大学院入学後に国内留学という形で名古屋市立大学(名市大)の門をたたきました。いざ学びはじめてみると、教室全体が、大学院という場で学ぶ志をもった人をあたたかく受け入れてくれる環境であることはもちろん、教育システムが充実していることも強く感じました。
他大学で腫瘍内科をしていた私が大学院に入った理由として、身体疾患をもつ患者の精神心理社会的問題をどのように取り上げ、関わりそして具体的な対応をしていったらよいかを学ぶためでした。臨床の中で感じたそのような疑問に答えを見いだすべく名市大精神医学教室の門をたたきました。緩和ケア領域においても全国でも数少ない、精神心理社会的問題への対応に長けた大学病院であることも、私が国内留学をしようと決めた背景にはあります。
教育面では、直接指導をしてくださる先生に加え、研究グループ内でも常に周囲の状況が確認できます(毎週おこなわれている研究ミーティングで各人の進捗を共有しています)。さらにはコンサルテーション・リエゾン、緩和ケア領域における世界のトレンドに乗り遅れることもありません。日本国内はもとより世界にも常に目を向けた、臨床・研究の実践の場がここ名市大にはあります。臨床疑問をすぐに相談できる環境が常にあり、もしかするとその疑問が自身の研究テーマとなる可能性も大いにあります。大学院生同士が相互に教え合い疑問が生じると指導をしてくださる先生も巻き込み白熱した議論になることもあります。
4年間を具体的に見てみると、1年次は、研究とは何かということや研究者としての心構えを学ぶとともに、自身の研究テーマを決めていくことを含め研究全般をとらえていきます。2年次には自身の研究を実際にはじめ、統計学的な手法や解釈を研究グループ内で議論していきます。実際に自身で研究をしていると実感し始める時期でもあります。興奮あり不安ありの毎日ですが、指導してくださる先生やグループメンバーが懇切丁寧に指導くださいますから心配はありません。3年次には論文執筆を具体的にはじめその中で論文を査読する側の状況など、論文を執筆することの大切さをあらためて知る機会を得ます。同時に論文を一編作成することがどれだけ大変かということも実感する時期です。日本だけでなく世界中の人の目に触れる機会がもう少しで得られるかもしれないと思うと、大変な中ではありますが、妙に興奮してくる気持ちも感じられると思います。論文投稿は多くの場合、3年次後半〜4年次を迎える頃になります(もちろん、早々に論文執筆、投稿ができるようならそれに勝るものはありません!)。
大学院という場でもアットホームな雰囲気を忘れずに多くのことを学ぶことができ、そして何よりも卒業時には一人の臨床医・研究者・教育者としての経験と自信をつけることができる場が、ここ名市大精神医学教室にはあります。ぜひみなさんもこの教室の門を軽くたたいてみてください。きっと想像以上の世界が待っていることと思います。
名古屋市立大学で現在大学院の3回生の久保田といいます。当大学院に所属して一番良かったと思うことは、研究のバックアップや指導体制が非常に充実しているという点です。研究は、テーマ、デザインを決めプロトコルを作成し、対象者を募集し、実施するというプロセスが必要です。私自身は、がん患者をサポートする看護師の心理的トレーニングのRCTを実施し、論文にまとめることとなりました。研究が終了するまでには、様々な壁がたくさん待ち受けていました。しかし、行き詰まった際に、問題点を整理し、解決まで導いてくれる頼もしい教官や院生の仲間に支えられて、最後まで取り組みました。
どんな研究をするにあたっても膨大な専門的な知識の集積と様々な周囲のサポートが必要です。
名市大の大学院はそのような環境がとても充実していると思いますので、ぜひ多くの方にその良さを体験して頂ければと思います。
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