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当教室には年月をかけて磨いてきた専門研修の体制が整っています。一方、大学病院のみでは精神医療のすべての分野をカバーできないため、教育関連病院とともに必要な領域をカバーする研修システムを構築しています。この研修システムで、精神科専門医や精神保健指定医の資格を取得できるのはもちろん、実力としてもバランスのとれた専門医レベルに十分達することができます。
なお、日本の専門医制度はこれから大きく変わります。2017年度からは、基本領域としての精神科専門医をまず取得し、それに加えて専攻に応じてサブスペシャルティ領域の専門医を目指すことになります(一般社団法人 日本専門医機構 http://www.japan-senmon-i.jp/)。2015年6月時点ではまだ未確定な部分も多いのですが、大学病院が中心となり、専門研修プログラムを策定し、研修に必要な医療機関と協力する形になります。名市大精神科では学会の専門医制度委員をつとめているスタッフや専門医制度に精通したスタッフがいますので、タイムリーに状況を把握しています。名市大では安心してこれからの専門医への道を歩んでいただけます。
希望に応じて専門性が磨けるように、以下のコースを用意しています。どちらのコースも、フレキシブルに途中で変更することができます。
ローテート研修の後、精神科専門研修を4~6年行います。単科精神科病院と総合病院精神科の両方の施設で、幅広く臨床精神医学の経験を積みます。
卒後1~2年間 | 1~2年間 | 1~2年間 | 1~2年間 |
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(ローテート研修) | 大学病院精神科 | 単科精神科病院 | 総合病院精神科 |
(ローテート研修) | 大学病院精神科 | 総合病院精神科 | 単科精神科病院 |
ローテート研修の後、精神科専門研修を計3~4年行い、大学院へ進学して臨床研究を行います。大学院に進む前に、精神科専門医・精神保健指定医を取得することもできます。
卒後1~2年間 | 1~2年間 | 1~2年間 | 4年間 |
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(ローテート研修) | 大学病院精神科 | 単科精神科病院 | 大学院 |
(ローテート研修) | 大学病院精神科 | 総合病院精神科 | 大学院 |
初期研修のたすきがけプログラムで2年目を名古屋市立大学で研修する方は、卒後2年目から大学病院精神科で専門研修をスタートすることができます。
具体的には、1年目のローテート研修を有力病院(安城更生病院、海南病院、豊田厚生病院、江南病院、刈谷豊田総合病院、名古屋第二赤十字病院、名古屋市東部医療センター、名古屋市西部医療センター、大同病院、一宮市民病院、旭労災病院、協立総合病院、県立多治見病院など)で行い、2年目から名古屋市立大学精神科で研修するプログラムです。早めに精神科の専門研修を開始したい方にはお勧めです!
まず、大学病院で指導医を含むチーム制で入院患者さんの診療を担当し、精神科臨床の基本を習得します。そして、徐々に外来診療へと進んでいきます。外来や当直で担当した患者さんについても、指導医による指導や相談の機会を定期的に設けています。ケース・カンファレンス、EBPカンファレンスに参加して指導医の指導のもとで力をつけ、各種クルズスなどで知識・技量を習得し、この時期に精神科臨床能力の基礎づくりをしっかりと行います。
また、希望者にはコンサルテーション・リエゾン精神医学を3~6ヶ月、児童精神医学を1~12ヶ月などを最大6~12ヶ月組み込むことができます。名古屋市立大学精神科はコンサルテーション・リエゾン精神医学において全国屈指の施設であり、コンサルテーション・リエゾン専門チーム(さらに希望があれば緩和ケアチーム)に加わり、これに「専念できる期間を設けて集中的にトレーニングを受けることができます。児童精神医学の研修施設は三重県立小児心療センターあすなろ学園です。
また、希望者には、専門的な精神療法(認知行動療法、曝露反応妨害法、持続エクスポージャー療法、アクセプタンス&コミットメント・セラピー、マインドフルネス認知療法、対人関係療法、EMDRなど)を見学・勉強する機会があります。また、家族心理教育の見学・参加の機会もあります。どれも世界標準であり、エビデンスが高く将来性のある精神療法です。名古屋市立大学精神科は、これほど多彩な専門的精神療法を高い水準で実施している点でも全国屈指の施設です。
名古屋市立大学精神科では以下の専門医が取得可能です。しかし、前述したようにこれから専門医制度は大きく変わりますので、ひとまずは精神科専門医を取得していただくことになります。
精神科では、単科精神科病院と総合病院精神科で疾患構成が大きく異なります。単科精神科病院では、精神科救急や、統合失調症、重症双極性障害、重症うつ病、二次症状のある認知症・発達障害などの重症精神疾患を中心に経験を積みます。精神科専門医、精神保健指定医の取得に必要な症例を経験することができます。
総合病院精神科では、身体疾患の患者さんに対するコンサルテーション・リエゾン精神医療や緩和ケア、身体合併症医療や、うつ病、不安症(不安障害)、摂食障害などの疾患を中心に経験を積みます。当教室の関連施設には精神科閉鎖病棟を持つ総合病院が複数あり、総合病院精神科の経験を積みながら精神科専門医、精神保健指定医の必要症例を経験することができます。
大学院では、大学病院で臨床フィールドを持ちながら、専門の臨床研究を行います。臨床の腕を磨きながら、同時に臨床研究を行って学位を取得することができます。また、他施設や他大学大学院などに在籍しながら国内留学も可能です。
詳しくは、大学院を目指す方へ
その他には、スタッフの出身施設である国立がん研究センター中央病院・東病院の精神腫瘍科での実習ができます。
専門研修コース修了後の精神保健指定医の合格率は100%です。指定医レポート作成において最も重要なのは優秀な指導者にアドバイスをもらうことですが、当教室には指定医レポートを熟知したスタッフが在籍しており、丁寧で的確な添削指導には定評があります。さらに、これまでの先輩の合格レポートの蓄積があり、大きな参考になることは間違いないでしょう。
大学病院の勤務形態は、後期臨床研修医として常勤ポストであり、精神保健指定医、精神科専門医などの研修期間に算定できます(医療機関によっては常勤職という立場での研修が提供できないため、専門医や指定医資格を取得するうえで研修期間に含めることができないところもありますのでご注意ください)。
臨床コースは、臨床の経験を積んで、精神科専門医と精神保健指定医の取得を目指します。これらの資格を取得すれば一人前の精神科医として認識され、どの病院でも勤務することができるでしょう。卒後5~6年で取得する方が多いです。これは新たな専門医制度がはじまっても同様です。その後は、精神科一般臨床医となる方が多く、単科精神科病院、総合病院精神科、診療所などで勤務することになります。産業医や行政職に就く方もいます。また、大学の勉強会などに出席するなどして、サブスペシャリティである精神療法、児童精神医学などの研鑽を積む方もいます。
臨床研究コースは、臨床の経験を積んだ後、大学院で臨床研究を行うコースです。大学院に進学する前に専門医や指定医を取得する方が多いですが、大学院の途中や卒業後に取得する方もいます。大学院では実際の患者さんを診察して収集したデータで臨床研究を行います。そして、精神科サブスペシャリティとして、コンサルテーション・リエゾン精神医学、精神療法、児童精神医学、老年精神医学、脳画像研究、薬物療法などの専門家を目指します。前述したように、専門医制度の変更に伴い、今後新たなサブスペシャリティ領域の専門医制度もはじまりますが、大学病院ではこれらにも対応していきます。このように、直接患者さんに貢献してサブスペシャリティの腕を磨きながら学位を取得し、エキスパートとしての第一歩を踏み出します。大学院卒業後は、当教室のスタッフとして専門の臨床・臨床研究を継続する、専門を活かして関連施設で勤務する、海外留学するなど、さまざまな道が開けています。教室としては、一人前の精神科医になるまでは責任をもって指導いたしますが、それ以降は基本的にお一人お一人の価値観を大切にキャリアを応援したいと思っています。手前味噌ですが、当教室の研修プログラムを終えて精神科専門医になった医師は、人物と臨床能力を兼ね備えていると大変評判がよく、大げさでなく全国の有名医療機関からダイレクトな求人をいただきうれしい悲鳴をあげています!
名古屋市立大学精神科の専門研修システムは、先生方の希望にフレキシブルに対応することができます。「将来性のある精神療法を極めたい」「緩和ケアの専門医を目指したい」など、「専門研修の中でこんな臨床経験を積みたい」という希望に最大限応えることができます。
先生方のお問い合わせをお待ちしています。お気軽にご連絡ください!
連絡先:医局長 山田敦朗 atsurou@med.nagoya-cu.ac.jp
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